2013年02月18日

東京島

桐野 夏生 著   東京島

もうずいぶん前のことになるが、この著者の「グロテスク」と「魂萌え!」を
読んだ時、なんというか、登場人部がすべて気持ち悪いと思った。

「グロテスク」と「魂萌え!」はまったく傾向の違う物語であるのに、
どちらも共通して、出てくる人々にまったくシンパシーを感じられないし、
どうにも不愉快になるなと。

それ以来、この著者の本は敬遠していたのだが、某古本チェーンで100円に
なっていたので、時間つぶしに読んでみた。


【ここからネタバレ入ります。未読の方はご注意ください】
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【総評】100円だからってお金の無駄遣いは良くない。

好きじゃないとわかっている作者の本を
「ひょっとして今度はおもしろいかも…だって人気作家だし、映画にまで
なったお話だし」などと自分を誤魔化して、買うのはもうやめよう、自分。

すいません。

つまり、面白くなかったです。

登場人物は相変わらず、どいつもこいつも徹底的に不愉快。
主人公を筆頭に、容貌も嫌悪感をもたらすものなら、性格もおかしげな人ばかり。

犬吉君とその彼女というか彼氏というか…あのカップルだけは
なんとなく可愛げがあって、この物語の中では辛うじて好きでした。

人間を美化しないということが、この著者の信条なのかもしれないけれど、
それでなくても、実社会では気持ちの悪い不愉快な人々と接することも多いんだから
物語の中くらい現実逃避して、少しはサッパリ爽やかに行きたいものです。

主人公の清子は、平凡で従順な人妻だったのに、漂流者の中で女性が
ただひとりだったために、いい年(40代半ばを超えています)にも関わらず、
男どもに追い掛け回されることになる。

う〜ん…男性生理から見ると、極限状態をリアルにあらわしているのかもですが、
もうこのシチュエーション自体気持ち悪い。

この物語の元ネタとなった実際の事件「アナタハン事件」では、
ただひとりの女性は、人妻ではあったけれどまだ20代前半でした。

そんな若い女性だったら当たり前で面白くないと思ったのかなんか知らないけど、
なにも50に手が届く年齢に設定せんでもなあ…。

「髪の毛が薄くなった他は衰えていない」とかなんとか主人公の自己申告的な
描写があったけど、もうそこ読んだだけで嫌悪感。
女で髪が薄くなったら、もうそれは十分、衰えてるやんけっ!

しかも、無人島で栄養状態悪いはずなのに「白ブタ」と揶揄されるくらい
太ってるってもう…あなた、それは…orz

挙句の果てに、30代で何度か妊娠するもその都度流産し、そのあとピタリと妊娠する気配も
なくなって、だから不特定多数とそういう関係になってもその面では安心している部分が
あったと書かれているのに、47歳にして(おそらく10年ぶりくらいに)懐妊し、
栄養状態も悪く、医療設備もその知識のある人間もいない東京島で、妊娠は順調に経過し、
健やかに自然分娩。もっとビックリなのは生まれたのは男女の双子。

・・・そりゃ、無人島で医療従事者の介添えなしに子供を産んで、母子ともに健康ってこともあるでしょう。
例え、それが50手前の初産でも。多胎児でも。
動物はみんな独りで仔を産むしね。その代わり死ぬことも多いけどね。

まったく、人物の容貌・性格の描写をあれだけリアルに不愉快に書く人が、
なんで、この女性の生理の部分だけこうもご都合主義の夢物語みたいに書くの?

同じ女とは思えないなあ…それとも「人間を突き放して見て、冷静に書けるわたしって
全然女っぽくなくてカッコイイ」とでも思ってるのか、この著者は。

そのあと結構すぐに清子は島から脱出するんだけど、産後の肥立ちは
大丈夫だったのかなあ…といらぬ心配をしてしまったよ。

島に残された男の子は、どうやって健やかに育ったのかね。
確かまだ、母乳を飲んでいる(離乳できていない⇒ご飯とか食べられない)小さな赤ちゃんだったよね。

巻末の章は、島に残った人々と脱出に成功した人々の後日談で、上のふたつの心配は
(都合良くも)杞憂で、双方元気です〜ということがわかる。

ヤンが、自分の息子かもしれないあの男の子に「おまえは人質だからな」みたいなこと
言うけど、人質って何?逃げた清子が残した息子を救うために、この島を再訪するかも
しれない…そしたら自分たちも出ていけるんじゃないかって夢をもってるってことか?

全体にダメダメ感溢れる物語だったけど、特に後半は酷かった。

ここに決意を新たにしよう。

このひとの本はもう読まない!

といいつつAmazonへのリンクを貼るのもなんなので、ひとつだけ「なるほどね〜」と
思ったことを書いておこうと思う。

極限状態の島では、ちょっとしたことでバランスが崩れ、めまぐるしく政権交代するんだけど、
その時、必ず上位にいることができるのは、「物を持っている」ことだと。

ただひとりの女性であるということも、希少性ということで財産であるし、
もっと具体的に「金属」や「紙」などの手に入らないけれど必要なものをたくさんもっていれば
いるほど、持たざる人々にそれらをレンタルすることで、自らは労働しなくても見返りが入ってくる。

当たり前の経済の基本だけれど、箱庭のようなところでシンプルに描かれるととてもわかり易かった。

色々書きましたが、あくまでもねこてん個人の感想なので、興味を持たれたかたは是非ご一読を。


posted by ねこてん at 15:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

レッスン 第33回目

2月16日(土)は33回目のレッスンでした。

いやあ、もう寒い日で。
幸い雨は降ってませんでしたが、強風吹き荒れて髪はくしゃくしゃ。
こんな日に限ってマフラーを忘れて外に出たもので、芯から凍えました。

帰りにビールを買って帰ったんですが、あまりに身体が冷えてしまって、
結局手を付けず、備蓄してあった甘酒の素を温めて、日本酒をぶち込んで飲みました。

それはさておき、レッスンのこと。

■音階
Fis dur ⇒ 合格

dis mollが宿題に。
相変わらず、♯が6個付いています。
最後のアルペジオは、同じく♯6個のFis durよりなんだか取りにくい。

■kayser(カイザー)
11番 ⇒ やった!一発合格だ!…とは言え、2週間あったので、まあ。

12番が宿題に。
ついにカイザー1巻の最後の曲に突入しました。
そしたら、これがまた、ニガテななが〜〜〜いスラーのヤツで。
とにかく、最初はデタッシュで音符の流れを覚えこんでからスラーの
練習をするしかないですよね。
11番のように簡単には上がれそうにないですが、なんたって最後ですからね。
ガンバリマス。

■鈴木教本2巻
リュリ ガボット ⇒ 合格

ベートーベン メヌエットト長調 ⇒ 一応最後まで見れてはいますが、
音符を追っているだけなので、もっと弾きこまないと。  お持ち帰り。

鈴木の教本も、今宿題になっているベートーベン メヌエットト長調が終われば
残すところ、あとボッケリーニ メヌエット1曲です。

まだ終わってないけれど、この調子で行くと、鈴木2巻はなんだか速かった。

カイザーが2巻になり、鈴木教本が3巻になり、どんどん道は嶮しくなるんでしょうね…。
ワクワクもするけれど、怖くもあります。

怖いといえば、7月に発表会があるそうです。
先生は「ぜひ出ていただきたいと思うんですよね」と「要望」のようにソフトに
お話しされますが、普通、まあ、出るもんですよね。

子供とオトナは違うのかもしれませんが、ピアノを習っていた時は
幼児の頃から、18歳まで毎年発表会は出てました。

というか、出ないという選択肢があることを知らなかったというべきか。
いや、選択肢はなかったように思う…。

でも、正直、まだまだ出たくないです。
レッスンで先生の前で弾くだけでも、息を詰めて、手に汗びっしょりになるのに、
ステージに立って、聴衆を前にひとりで弾くなんて。
ピアノ伴奏があるからひとりではない…のかもしれませんが、だからこそ
余計に、想像するだけでも気を失いそうになるほど怖いです。

う〜ん…乗り越えないといけないんでしょうか。
この先、別に人前で演奏することなどそう望んでいないのに?

悩ましいです (TдT)



posted by ねこてん at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | バイオリン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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