2013年04月15日

ずっとお城で暮らしてる

シャーリイ・ジャクスン(Shirley Jackson) 著  市田 泉 訳
ずっとお城で暮らしてる

シャーリイ・ジャクスンは『“魔女”と呼ばれた女流作家』だそうで、
今回初めて彼女の著作を読むので、非常に期待していた。

色々感想を見ていると、結構評判がよい。

ワクワクして読んだ。

な・の・にっ!(ノД`) まったく面白くなかった。

桜庭一樹とかいう人が、帯(と解説)を書いていたが。

「すべての善人に読まれるべき、本の形 をした怪物である」

ああん?
これもまったく意味不明。

【ここからネタバレ入ります。未読の方はご注意ください】
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過去に起こった一家惨殺事件。
その生き残りの3人が、今もその惨劇の現場である『お城』に住み続けている。

当時、犯人と目されて辛い目にあったこの家の長女コニーと
彼女の妹、メリキャット、それにふたりにとって伯父にあたる老人。

事件以来、一家は村人から疎まれている。

なんか、違和感があるというか物語に入り込めないでいたのは、
この一家のもともとの地位がよくわかんなかったというのが大きいかなあ。

そもそも事件前はこの一家は村でどういうステイタスだったのか。

「お城」というけれど、どんな規模でどんな外観なのか。
(読んだ感じでは、お城というほどの建物ではないような印象)

領主というほどのものであれば、使用人もいただろうに、そんなこともなく、
事件当日も、姉娘のコニーが料理をしている。

だから彼女が犯行に使われたヒ素を砂糖に混入した犯人と目された訳で。

村の人たちがこの一家を憎み、疎むのは本当に事件のせいだけなのか。
う〜ん…もともと変な一家だったんだろうと思わせる雰囲気。

で、まあ、今はお気のお弱いお姉さまのコニーは領地の外には
出ることができず、妹のメリキャット(18歳)が週に2回、村に行って
ビクビクしながら買物等すませている状況。

これも、なんだかなあ。

メリキャットは村人から嫌味を言われたり、嫌がらせを受けたり
するものだから、「みんな死んでしまえばいい」とか考えるんだけど、
そりゃ、そうだろう。ねこてんが彼女でもそう思う。

で、ここまで怖さゼロ。

一歩、家の敷地に入れば彼女たちの王国で、メリキャットは「月の上」と
称する空想世界がお気に入り。

色々な呪物を埋めて結界を張り(張ったつもりになり)、家族を守っている(つもり)。

18歳にもなって、そんな脳内世界で暮らしているのが
異常で怖いというならば、まあ、そうかもだけれど、惨劇のあった
6年前(当時彼女は12歳)から、ず〜っと外界と遮断されて
回りにいるのは、どこかタガの外れたような姉と伯父だけ。

テレビもインターネットも無い時代、夢見がちな年頃の少女が、
そういう思考・及び行動を取ってもあまり不思議じゃないと思う。

そんなある意味安定した日々に、ふたりの従兄弟だという男が入り込んできて
お決まりの「危ういバランスの上になりたっている均衡」を破壊するんですな。

コニーは、彼によって歳相応の現実に目覚めかけ、妹の空想世界にイラつくように
なったり、彼がその存在を疎ましがるもの…弱っている老人の伯父や懐かない妹を排除しようと
することに困惑しながらも、積極的に止められないでいる。

このへんも、歯がゆいですねえ。

で、挙句の果てに、メリキャットはこの従兄弟の存在が嫌すぎて
彼のバイプが火の付いたまま放置されているのを利用して家を燃やしてしまおうとする。

当然火事になり、姉妹は消火に来る村人から隠れ、その間に高齢の伯父は
心臓発作で亡くなり、火は消し止められたものの、村人たちは
伝染性興奮状態を呈して、屋敷を手当たり次第破壊し出す。

マジキチ。

嵐のような暴徒が去った後、姉妹は焼け残った屋敷に戻り、窓を打ち付け、
以前よりさらに酷いヒキコモリ状態になって暮らす。

いつまでたっても、村人の全滅無し。

メリキャットがなたをふるって村人をひとり残らずぶった切る!
血しぶきで目の前が真っ赤になり、なたを握る手はヌルヌルと
ぬめってあたりは重苦しい血の匂いが立ち込め…とか無し。

あるいは、ついに怒り心頭に達したメリキャット、村の共同井戸に
ヒ素をぶち込んで、それから一週間に渡り、村人は悶え苦しみ
阿鼻叫喚の地獄を味わいながら、死に絶える…とか一切無し。

自然死の伯父さんを除いて、死体のひとつも無し。

最後は、よくわからんが、なんだかこの姉妹は「祟り神」扱いになって、
村人が、代わる代わる「あの時はあれを壊してすみません」だのなんだの
言いながら、食物を玄関先に置いていくようになる。

供物を供えて、呪いが発動されるのを防ぐつもりなのか。

お・し・ま・い。

・・・・・・・(゚Д゚)ハァ?

いやあ、どこに怖いポイントが?
田舎の集団ヒステリー恐るべしってだけのことですか?

それとも、コニーが自分の手をこれっぽっちも汚さずに
可憐な殺人鬼メリキャットをうまく操って、コニーの
居心地のいい「家庭」を築くさまが怖ろしいんでしょうか?

だいたい、6年前の事件の動機もまったく読み取れない。
ねこてんは、この上なく頭が悪くなった気がした…いや、実際悪いけどw

生き残った姉妹は、実はとうの昔に死んでいて云々かんぬんとか深読みしちゃったよ。
アザーズ(The Others)かよ。

でも、評判いいしな〜
みんな、こんな話でガクブルできるってことは、どんだけ繊細で豊かな感受性なんだ…

いや、ねこてんがいかに図太くて鈍いかということを
露呈しただけの結果に終わった日曜の午後ってことですね (。-_-。)



posted by ねこてん at 17:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
同感です。
要するに以前から姉を偏愛?している頭のおかしな娘の異常行動な話だと思いました。
庇っている姉と(おじさんも?)もあぶない領域です。
でも
怖くはなかったですねぇ。
Posted by いくつになっても夢見る少女でいたい at 2014年08月23日 23:54
おっしゃる通りです。なにゆえ村人が畏まっちまうのか、解らない…
Posted by ことりだよ at 2016年12月25日 11:44
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